菅清風 硬質ガラスペン 白川

スペック

長さ:全長約166mm
太さ:軸径約10mm
重さ:約21g
定価:8,000円 (税込・2008年8月現在)
(注) 写真はペン先に色彩雫【松露】を付けた状態です。

特徴

菅清風さん (2008年現在 88歳) が作るガラスペンの最大の特徴は、素材に硬質ガラスを使用しているところにあります。硬質ガラスは、熱膨張が小さいため温度変化に強く、耐熱ガラスとも呼ばれています。ガラスポットや、実験器具などに使用されているあのガラスですね。当然軟化点が高いので、非常に高温にしないと加工することができません。菅清風さんは、1,200℃までガラスの温度を上げてガラスペンを製作されているのだそうです。耐摩耗性に優れるガラスによって丈夫で減りにくいペン先を実現しただけではなく、細い線が書けてインクのボタ落ちも防げるようにペン先を加工されています。

この白川というモデルは、菅清風さんのガラスペンの中で最もシンプルなモデルです。軸は直径約10mmで首軸から尻軸にかけて均一な太さになっており、尻軸の先端部は徐々に細くしぼむように加工されています。全体のシルエットは鉛筆のようでもあり、素直な持ちやすいデザインです。そこに緻密に揃った波模様が施され、シンプルな模様ながら「ガラスの美しさ」を堪能できるデザインになっています。白川にはクリアとブラウンの2色がラインナップされており、私はブラウンを購入しました。とても上品な色で本当にオススメですよ。

硬質ガラスで軸からペン先までを作れるのは菅清風さんだけだそうです。敢えて加工の難しい素材に挑み、長持ちするペンを作る。一生モノのガラスペン、いかがですか。

インプレッション

白川を受け取ると、まずその作りの美しさに惚れ惚れしました。持った感じもしっくりきますし、非常に質感が良かったです。ただ、早速インクを付けて書いてみると、ペンポイント (と言うか、ペン先の先端) が想像していたものより細かったのです。国産 M か舶来 F くらい、とリクエストしていたのですが、国産 F くらいの細さでした。そして、その細さゆえか、想像していたよりもひっかかりが感じられたのです。細字のガラスペンとしては普通の感触なのかもしれませんが、できればもっと滑らかにしたい。ということで、やっぱりやってしまいました。禁断のペン先調整・ガラスペン偏です。

使ったのは、#4000 〜 #15000 のラッピングフィルム。硬質ガラスなので簡単に研磨できるかな、と思いましたが、時間はかかったもののしっかり研磨できました。ペンポイントの一面のみを紙面に当てる万年筆とは異なり、ガラスペンはくるくる回しながらペンポイントを使います。なので、ペンポイントの角を自分の筆記角に合わせてグルッと落とし、ペンポイントの先端部を円錐形に整えていきました。ルーペで外観をチェックし、試し書きで筆記感覚をチェックし、その結果を踏まえてまた調整する、この繰り返しです。その結果、上の写真 (下段) のようなペンポイントになりました。書き味も、ガラスペンとは思えない滑らかさで、並みの鉄ペンくらいはあります。しかも、線に表情があるんですよ。ますますガラスペンが楽しくなってしまったのでした。

マイ・ストーリー

しばらく、ペンに対する物欲は完全に静まっていました。ところが、新しい色彩雫シリーズのインクを購入し、色見本カードを作る際に、また物欲が湧き上がってしまったのです。色見本カードの製作には、インクの付け替えが簡単にできるガラスペンが最適で、これまでは、妻にプレゼントしたシピンのガラスペンを借りて色見本カードを書いていました。でも、やっぱり自分専用のガラスペンが欲しいじゃないですか。万年筆を使うようになってからガラスペンにも興味を持っていたため、思い切って購入することにしました。

ネットショップで購入手続きを済ませたあと、実は気になっていた特注品について問い合わせをしました。すると、その日の夜に菅清風さんご本人から直接電話がありました。突然の電話に少し驚きましたが、とても嬉しかったです。「メールはニガテで・・・」とおっしゃっていましたが、御年88歳でいらっしゃいますので納得です。

購入先

購入先は菅清風さんのネットショップです。注文後すぐに発送してくださいました。しかも、パイロットのブラックインクと、特性インク壜もセットでした。

2008年8月20日 初出

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