菅清風 硬質ガラスペン
特・大文字・ながれ

スペック

長さ:全長約145mm
太さ:軸径約17mm
重さ:約35g
価格:30,000円 (参考税込価格・2008年8月現在)

特徴

菅清風さんが作るガラスペンの一般的な特徴については、白川のページをご覧いただくとして、ここではこの特注仕様について説明します。

私が特注し、特・大文字・ながれと名付けられたこのモデルの最大の特徴は、その形状と太さにあります。この特注モデルではガラスペンの149を目指し、私にとって究極のガラスペンを実現するために、次のような注文をつけました。まず、ペン先は中間がぷっくりと膨らんだ「亀甲」型であること。そして、軸は直径16mm程度で紡錘型であること。菅清風さんのガラスペンには、特注品として「大文字・亀甲」というタイプが知られていますが、今回オーダーしたのはその「大文字・亀甲」の軸を紡錘型に変更してもらったもの、ということになります。

全長や重さについては特に指定せず、おまかせで作っていただきましたが、非常に良く手に馴染む形と重さでまとめられており、さすがと言うほかありません。前回の白川と同様、たっぷりとインクを蓄え、かつ、インクのボタ落ちがない安定した供給ができるペン先は、職人のなせる技でしょう。ちなみに、ペン先の太さは、白川が少し細めだったので、もう一段太めでお願いしました。

インプレッション

上述の通り、「特・大文字・ながれ」はガラスペンの149を目指してオーダーしました。149を普段使いしている私には物凄く手に馴染み、その持ちやすさたるや驚異的と言えます。全長がやや短めに抑えられているので、直径17mmという太さでありながら35gとそれほど重くないのも持ちやすさに影響していると思います。形状はとても気に入りました。値段はかなり高価ですが、自分だけの特注品を作ってもらえることと、全て硬質ガラス製ということを考えれば、納得できる値段だと思います。

ペンポイントは、前回の白川より少し太めでお願いしていたので、ちょうどいい太さでした。ただし、やはりペンポイントは丸められておらず、平らになっていました。ペンポイントを丸めないことについては特に何も聞いてはいませんが、こだわりの職人さんなので、何かポリシーがあるのかもしれません。これでもサリサリと書けるのですが、紙に引っかかる感じがあるのも事実で、滑らかな書き味とは言い難いのです。個人的には、ペンポイントを少し丸めて仕上げて頂いたほうが好みですね。ここは自分で好きなように研ぐしかありません。

前回の白川と同様、#4000 〜 #15000 のラッピングフィルムを使い、丁寧に研磨しました。まずはラッピングフィルムを下に置いて、ペン先を少しずつ回しながら、上下左右斜めに往復させたり八の字を書いたりしながら、ペンポイントの角を自分の筆記角に合わせてグルッと落としていきました。ルーペで外観をチェックし、試し書きで筆記感覚をチェックし、その結果を踏まえてまた調整する、この繰り返しです。大分研ぎが進んでくると、今度はカットしたラッピングフィルムを手に持ち、ペン先を上に向けて微調整。一日小一時間で三日かけてようやく上の写真のような理想的なペンポイントに仕上がりました。尖端が尖り過ぎると「ハネ」で引っかかることがあるので、円錐形でありながら先端を気持ち丸めて仕上げるのがポイントです。ここまですると、書き味が驚くほど滑らかになり、線にもしっかりと表情が出てきます。ガラスペンのペン先研磨職人になれるんじゃないか、と思ってしまうくらい満足いく仕上がりになりました。丁寧に削り、綺麗に丸められた軟芯の鉛筆を想像してください。ペンポイントの先端部はやはり円錐形がベストだと思います。

マイ・ストーリー

ペンに対する物欲が復活するとともにガラスペンに対する興味が爆発してしまったので、前回白川を注文してから結構すぐにこのガラスペンを特注してしまいました。白川が届いてからしばらくして、「無事に受け取ったこと、持ちやすく使いやすいこと、ペン先を研いで使っていること」などを手紙にしたためたのですが、その手紙で正式にオーダーしてしまったのです。「何かありましたら電話で」と言われていたのですが、手紙で注文した方がオツでしょう(笑)。手紙では「ツチノコ」っぽいと書いていたのですが、実際手にしたものはツチノコでもありゴーヤでもある感じでした。

購入先

購入先は菅清風さんのネットショップです。注文後、約一週間で製作し発送してくださいました。なんでも、大安の日に焼成してくださったとのこと。こういう心遣いは嬉しいものです。なお、パイロットのブラックインクと、特性インク壜もセットでした。

2008年8月29日 初出

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