Pelikan M205 DUO

スペック

長さ:収納時全長約125mm・キャップ装着筆記時約147mm
太さ:キャップ径約13mm・軸径約12mm
重さ:約15g
インク補充方式:ピストン吸入式
定価:13,650円 (税込・2010年7月発売時)

特徴

ペリカン M205 DUO (いわゆるペリスケ・シリーズ) の最大の特徴は、取り立てて説明するまでもなく、樹脂製のスケルトンボディにあります。もともとはデモンストレーション用に作られた物で、カメラで言うとカットモデルに近い位置付けだったのだと思います。しかし、その透明感が醸し出す美しさ、使いながらインクの流れを目の当たりにすることができる面白さが受けて市販され、もはやスケルトン万年筆は一つのジャンルとして確立された感があります。現在、本格的なピストン吸入式のスケルトン万年筆はパイロットなどからも出ていますが、最もスケスケ感が高いのはやはりペリスケでしょう。ペリスケは根強い人気がありそれなりに需要も大きいと思われるのですが、いつまで経っても定番品にはならないもどかしさがあります。私が持っている無色透明のものも、2009年に発売されたブルーのものも全て限定でした(2010年11月現在、ブルーデモンストレータはまだ買えそうです)。

今回限定発売された M205 DUO は、なんとイエロー軸。そして、イエローの専用蛍光インクが付属し、蛍光ペンとしての用途限定万年筆なのです。ニブはステンレスで BB のみ。なんと思い切った斬新な仕様でしょうか。これまで蛍光ペンと言えば、フェルトか合成繊維か合成樹脂でできた、あのナナメにカットされた太い芯をもつペン(モンブランの 166 もこれに属します)しか世の中にありませんでした(少なくとも私の知る限り)。こういった正統な万年筆を蛍光ペンとして使う感覚はとても新鮮です。私はたまたまツイッターで追加入荷の連絡を見て衝動買いしてしまったのですが、それは間違った衝動ではなかったと確信しています。

インプレッション

鉄ペンの BB ニブ。とてもインクフローが良いのです。付属のハイライターインクがやや粒子の大きいインクということで、それに合わせて作られた結果だと思います。ただし、私の個体は、縦線は筆圧を掛けてもとてもスムーズに引けたのに対し、横線は少し引っかかりがありました。ラインマーカーとしての用途限定なので、滑らかに横線が引けることが重要です。90度回してニブのスリットと平行に引いてもいいのですが、やっぱり横線は横線としてちゃんと引きたい。そこで、調整を行いました。調整の戦略としては、要は今よりも少し馬尻気味にすればいいわけです。まず、筆圧を掛けてスリットを開き、スリットの内側を少し丸めました。引っかかりが無くなるまで丸めると、今度は書き出しで若干スキップするようになったので、次に筆圧を掛けずに馬尻の溝を浅くするように研ぎました。微調整を繰り返し、最終的に文句なしの極上の書き味に仕上げることができました。

見た目は、ペリスケのイエロー版ということ以外特記事項はありません。ただ、イエロースケルトンにイエローインクを入れることに趣があります。そして、あまりに同化しているため、パッと見では、水が入っているような感じがとても新鮮です。実際書いてみると、極めて彩度が高く、凄まじい発色をします。ナナメから見ると、照明の当たり具合にもよりますが、反射板のようにまさに光っている感じに見えます。明度の高い薄い色ではあるのですが、結構しっかり見えるいい塩梅の色をしています。ペリカンという老舗の意地か余裕かそれとも攻めの結果かわかりませんが、実に面白いペンとインクだと言えます。これまでの万年筆と蛍光ペン、それぞれの常識を破る逸品であり、蛍光ペンで書き殴ることがとても楽しい事に気づかせてくれたペンです。

マイ・ストーリー

しばらくは万年筆を増やさず使うことに専念していたのですが、パイロットのカスタム・ヘリテイジ92を買って少し気がゆるみました。今回は完全なる衝動買い。でも、万年筆の奥深さと楽しさを再確認できた良いペンでしたので、買って良かったと思っています。次にどんな展開を見せてくれるのか、楽しみです。是非ともこの蛍光ペンのラインを絶やさないで欲しいと思います。

購入先

今回はツイッターで残り2本!!との書き込みを見て、NOMADO 1230さん (NOMADO 1230 楽天市場店はこちら) で購入しました。20%オフでした。

2010年11月7日 初出

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