MONTBLANC 149

スペック

長さ:収納時全長約149mm・キャップ長約71mm・本体のみ筆記時約131mm・キャップ装着筆記時約164mm
太さ:最大径約22mm・軸径約16mm
重さ:全体約32g・キャップのみ約11g
インク補充方式:ピストン吸入式・容量約1.5cc
定価:84,000円 (税込・2007年11月現在)

特徴

モンブラン マイスターシュテュック 149 の概観的な特徴は、丸みを帯びた極太軸のフォルムと、大きく華麗な装飾のニブ(ペン先)にあると思います。もう説明の必要がないくらい有名で、万年筆の代名詞的存在、国産万年筆の「万年筆原器」的存在と言っても過言ではないでしょう。

ニブは硬めで弱い筆圧から強い筆圧までしっかり受け止めてくれ、潤沢なインクフローと滑らかな書き味で抜群の安定感を誇ります。極太軸は長時間の筆記でも疲れにくいという利点があります。インクは吸入式でインク持ちも充分、そしてメンテナンスもしやすいです。安心して長時間使えること、ハードな使用にも耐えることから、究極の実用品と形容されることもあります。ただし、ニブは一つ一つ職人の手による仕上げで、少なからず個体差が存在するため、購入に際しては注意する必要があります。

そんな万年筆の王様マイスターシュテュック 149 ですが、近年のモンブランのブランド志向に伴うイメージは、どちらかというとあまり良いとは言えません (より高級感が増すというプラスの受け取り方もありますが)。そして元々高価だったものが、さらに毎年のように値上がりしていて、10万円の大台に達するのも時間の問題だと思われます。本当に欲しい人は早く購入された方がいいのかもしれません。

若干のマイナス要素はあるにしても、やはりマイスターシュテュック 149 は究極の「逸本」であることに変わりはないと思っています。所有欲を満たし、何十年も使える書くための究極の道具はそうそうあるものではないでしょう。

インプレッション

私の 149 (Fニブ) は当たりだったのか、ロイヤルブルーのインクを入れると購入直後からいきなり素晴らしい書き味で、何も考えずにスラスラと快適に書くことができました。心配された書き出しの掠れ(インクスキップ)とは無縁で、調整不要・書き慣らし不要ですぐ実戦で使うことができました。事前の綿密な調査の結果とは裏腹に、こんなにあっけなく超快適に使えるとは思いませんでした。

そして毎日書くこと10日余り、さらに馴染んできて、F ニブの細字ながらヌラヌラの書き味になってきました。かといって線が太くなりすぎるわけではなく、細字好きの私が満足して使えています。モンブランの F ニブはいわゆる長刀研ぎで、縦線よりも横線の方が若干太く書けます。そのおかげで、線に少し抑揚が付けられ、文字が綺麗に書けます。ノートするという用途にとてもマッチしていると個人的には喜んでいます。

マイ・ストーリー

私がマイスターシュテュック 149 と最初に出会ったのは、中学生の時でした。美術準備室の先生の机に転がっている、その異様に太くて煌びやかなニブの万年筆に、まさに一目惚れをしたのです。それは万年筆=モンブランという強烈な刷り込みとなり、以来、常に憧れ続けることになりました。

とは言え、大学まで授業のノート取りなどで使う筆記具はずっとシャーペンでした。大学院生になってたまに水性ボールペンを使うようになり、ポスドクになってからは水性ボールペンがメインになりました。水性ボールペンの快適さに、実用的な筆記具は水性ボールペンだと信じて疑わなくなっていました。

准教授となっても、その確信のもとに数百円の水性ボールペンを使っていました。そして、水性ボールペン特集があるということで買ったモノ・マガジンにモロに影響され、シンガポール出張の際にモンブラン・スターウォーカー・ドゥエを買って来たのです。この書き味の滑らかさにハマり、滑らかさがゆえに筆圧がどんどん下がっていきました。そしてふと、そろそろ本格的に万年筆を使ってみてもいいかなぁと思うようになりました。

そこで、ずっと抱いていた憧れが鮮やかに蘇りました。「せっかく使うのなら一生モノが欲しい。となると、マイスターシュテュック 149 以外に考えられない!」トータルバランスは 146 の方がいいと言われている事は知っていたのですが、最高峰への憧れと何十年も使う覚悟で 149 しか眼中にありませんでした。お値段がお値段なのでかなり躊躇したのですが、2007年の早めのクリスマスプレゼントということで、なんと妻からプレゼントされてしまったのです。ん〜ありがたや〜。

遂に 149 が私のところにやってきました。研究のアイデアなどをノートにまとめるという用途と、元々細字が好きだったということもあり、ニブは F にしました。EF と迷ったんですが、試し書きでガリガリと引っかかる感触があったので F に決めました。そして実際使い始めてみると、書き味良すぎーの、極太軸しっくりきすぎーので、完全に万年筆という筆記具にハマってしまったのでした。

購入先

当初、149 はアメリカ出張の際に免税店で安く仕入れる予定でした。でも、航空会社がノースウエスト(第一ターミナル)だったので、安いと評判の成田 JAL-DFS(第二ターミナル)で買うことはできません。かといって、帰りのアメリカ・シータック空港ではモンブランブティック自体ないことを確認済み。アメリカ国内で安かったら Sales Tax がかかってもいいから買おうかと思っていたんですが、これが普通に高い。計算すると日本のネットショップで買うほうが遥かに安いのです。結局アメリカ出張の際に買うのは諦めました。

ずっと使うものなので、いきなり通販というよりは実物を見て試し書きをしてから買いたいと思いました。でも、モンブランブティックや丸善などは定価なのでさすがに厳しい。思案した挙句、購入先に選んだのは博多ヨドバシでした。頼めば(ほんのちょっとだけですが)試し書きもさせてもらえて問題なかったので購入しました(値段はナイショ)。しかし、どうやらずっとショーケースに展示されていたような個体で、持ち帰ってから尻軸に傷があることが判明したため、すぐに交換してもらいました。紆余曲折はありましたが、結果オーライ、当たり個体をそこそこリーズナブルに(プレゼントなんですけど)手にすることができました。

2007年11月29日 初出 / 12月9日 追記 / 12月15日 改訂

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